平安京と共に歴史を紡いできた京都で「前の戦争」と言えば、第二次世界大戦ではなく応仁の乱のこと。「西陣」という言葉の由来も同様で、山名宋全率いる西軍が陣を敷いたのがはじまりです。戦後、ここに集まった機織り技術者が本陣跡で仕事を再開。以来、西陣エリアは御所の支えもありながら、日本の機織り産業の中心地へと成長を遂げました。19世紀にはフランスから伝わったジャガード織機を導入し、西陣織の最盛期を迎えます。同じ織物でも民芸路線を歩んだ紬と異なり、高級路線を貫いたのも西陣ならでは。和装の作り手がすぐそばにいることは、今なお京都の大きな強みとなっています。
西陣織は大きく機械織りと手織りに分けられます。価値に差があるわけではなく、それぞれ異なる良さがありますが、手織りはふっくらとして柔らかく、一見するとまるで刺しゅうのよう。こうした織りや染めの生地に施される刺しゅうの最高峰と言えば”さがら刺しゅう”。生地の裏から針を出して糸を通し、玉結びを作る作業を繰り返して模様を描きます。手間暇がかかるためレンタル料は1枚80万円程(参考価格)と高額になりますが、一度は袖を通してみたい逸品。
帯地を始まりとする西陣織が、丸帯2本半分を使って仕立てたことから、打ち掛けとしても使われるようになりました。現在では、様々な色合いの打ち掛けが手に入りますが、いざ自分が選ぶ際に迷ったら、まず赤い打ち掛けを羽織ってみることをオススメします。その理由は、遠い昔、三日三晩掛けて結婚式を行なっていた頃、白無垢だった花嫁はお色直しで赤い打ち掛けを羽織ってお披露目されるのが通例だったため。現代では、寒色系のブルーや紫、あるいは黒地に様々な色を散らした一枚を選んでも、京都では「上品・洗練されている」と受け取られる傾向にあります。
「西陣織」と聞くと、帯やバッグ、草履をイメージしがちですが、実は打ち掛けも西陣織。刺しゅうのように見える模様は、手織りで紡ぎ出した風合いのたまものです。柄行きも帯から仕立てていた時代と違い、現代では左右にまたがる大胆な構図が増えています。
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