京都婚100のこと
Kyoto Wedding 100

2018.05.11

狭い敷地を広く見せる日本古来の作庭技術が光る平安京の神苑

創建後も、より良い形を目指して進化を続けた平安神宮。100年を超えた今では「母娘三代に渡って平安神宮で挙式を」と望む花嫁もいるほどです。一見、変化を拒むかのように見える壮麗な社殿の裏に潜む、平安神宮が有する名勝庭園“神苑”の成り立ちとこだわりに着目します。

創建当初の平安神宮に足りなかったもの

163.1

物語は平安奠都千百年紀念祭の一年前にさかのぼります。紀念祭協賛会が神社の創建を請願したのに対し、明治27(1894)年に官幣大社に列せられ、「平安神宮」として明治28(1895)年3月に社殿が真っ先に完成しました。鳥居の造営に着手したのは創建から35年後の昭和3(1928)年になってからです。昭和天皇の即位の礼を記念して始められ、翌年に完成しました。一方、神社につきものの鎮守の森がないことは大きな課題として残されました。平安神宮はその成り立ちが特殊で、周囲は博覧会の跡地が広がるばかり。自然崇拝の対象を求めて、円山公園や無鄰菴などを手掛けた造園家・七代目小川治兵衛の力を借りることになったのです。

 

自然崇拝の対象を求めて作られた庭

163.2

平安神宮神苑は社殿を取り囲むように西、中、南、東へと20年以上の月日をかけて約6000坪(約3万平方メートル)にまで広がった池泉回遊式庭園です。平安神宮と言えば朱塗りのイメージが強いのですが、いったん神苑に入ってしまえば、社殿はほとんど見えません。敷地をより広く見せるため、入口と出口を狭く、緑が濃く薄暗いところから一気に明るい空を見せて開放感を演出するなど、さまざまな手法が駆使されています。特に平安神宮会館が建つ東神苑に入った途端、世界観が切り替わり、東山を借景に清々しい眺めが堪能できる点は見事。東神苑の泰平閣と尚美館は、大正元(1912)年に京都御苑で開催されていた京都博覧会の建物を移築したものです。元々、御所にあったものを移築したため、平安時代の大内裏を復元した朱塗りの社殿とは趣がまったく異なります。平安神宮会館の披露宴会場からも眺められる泰平閣は、平安神宮の神苑を象徴する建築物となっており、前撮りスポットとしても絶大な人気を誇っています。

 

まとめ

実際に神苑を歩けば、小川治兵衛作が確たる世界観を持って構築したことがよく伝わります。「平安神宮で結婚式をして一番の思い出と言えば、建物と庭ではないでしょうか」と語る神職も。祖母や母の記念写真と同じ背景でロケーションフォトを残せるという貴重な体験がかなうのです。

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